シェアハウスとは
なぜシェアハウスは人気なの?
本やDVDだけではなく、車やオフィスまでもが、多くのヒトを通じて交換・貸借・共有できるようになったシェアリングエコノミーのサービス。 いよいよ毎日暮らす住空間も少ないコストでも、ゆとりのある充実した生活環境が手に入るようになりつつあります。こちら関西でも “シェアハウス” が住まいの選択肢として認知されるようになってきました。
“シェアハウス” とは、住みたい人々が集まり、各々で最低限に持つことのできる居室と、ハウスのグループ単位で集まることのできる共用スペースを兼ね備えた住宅のこと。それまでは一般の4~5人家庭が暮らしていたような戸建住宅や二世帯住宅、ファミリーマンションやアパートメントの数戸をまとめてフルリノベーション、再活用させた形のハウスが多い傾向にあります。ファミリーサイズの広いリビングをはじめ、玄関、キッチン、バスルーム、トイレなどが共用部。そこには食器棚や冷蔵庫、洗濯機などの大型家具・家電をシェアメイト同士が共同利用できるよう整えられています。ハウスの定員規模や雰囲気、提供設備は物件によってさまざま。普通の単身者向け賃貸マンションでは手が届きにくい楽器練習ができる防音室や、屋上バルコニーにカフェスペースを備えたオプション物件なども存在します。語学勉強やダイエットなどの共通の目的や趣味を持つ人々を募集するハウスや、SOHOや起業家支援などのビジネスパーソン向けのハウス、ペット飼育OKのような特化型のシェアハウスも登場しています。
“ひとりの力では難しかったことが、みんなとのシェアだからこそ実現できる“。シェアハウスのメリットはこれから後述しますが、人気の要因はこれに尽きるでしょう。最低限の入居条件とハウスマナーは求められますが、シェアハウスの誕生によって就活生や新社会人のような若者はもちろん、大人の女性の思い切ったお引越しまで、都会での新しい生活にトライしやすくなったことは間違いありません。
しかし、メリットばかりかというとそうではないのです。一つ屋根の下で他人であるシェアメイトと暮らすとなると、お互いのコミュニケーションや生活習慣の考え方からすれ違いが起こることもありえます。全員がその違いを納得して許し合えれば良いのですが、時に誰かが感情的になるとシェアメイトとの関係がネガティブになるケースも考えられます。もしあなたが次の住まいに “シェアハウス” を選ぶなら、その生活がストレスにならないように、このメリットとデメリットの両輪を知ろうとすることはとても大切です。
シェアハウスで暮らすメリット
はじめに挙げられるメリットとして、住居費用の話題は欠かせません。不動産会社が仲介する賃貸マンションと異なり、一般的なシェアハウスには敷金、礼金や更新料の項目はあまり見かけないと思います。共益費の考え方も少し特徴的です。C’s(Si:s)shareの場合は、電気、水道などの光熱費や、館内のインターネット使用料、トイレットペーパーのような共用部の生活消耗品の代金が含まれています。もし、あなたが一人暮らしのためにマンションを借りれば、そのスペースはあなた一人が独占できますが、テーブルやベッド、生活家電や消耗品の全てはあなた自身で買い揃えなければいけませんし、毎月の光熱費も安定しないことでしょう。忙しくて掃除を怠けていたら、家族や友達も部屋に呼べません。しかし、実生活上で常に自分のものでないといけない状況は意外と少ないものです。シェアハウスの居室には必要最低限の家具が備えつけられており、リビングやキッチンも自分以外の誰かも利用することで、入居者同士が意識し合いながらスペースを維持できる仕組みになっています。
また、あなたの住みたい家はどんな場所にあれば理想的ですか?駅に近い、会社や学校にもなるべく近い物件を探せば毎日かかる交通費や朝の支度の時間も抑えられます。ワンルームで8~9万円以上するような家賃相場の高いエリアでも、シェアハウスなら比較的安価な料金で物件を探すことができて、地元の方から驚かれるくらいです。居住期間もフレキシブル。地方や海外から来られる方にとって土地勘もない都会で住まいを探すことは大変な冒険です。そのときに1年未満でも転居ができるシェアハウスなら、その街にしばらく暮らした後にもう一度物件を探し直すこともしやすくなります。
そして何より ”シェアハウス” と聞いてイメージされるのは「シェアメイトとの出会い」!シェアメイトの年齢、職業、出身、国籍は本当に多種多様です。年の差が5~6歳以上離れることも珍しくなく、実家から自立したい方、地方から上京して心機一転を図る方、ワーキングホリデーで日本語学校に通う方、友達とのルームシェアを解消したい方など、その動機も人それぞれです。人間は、齢を重ねるごとに仲良くする人が自分に似たカテゴリーに固定化されやすくなっていきますが、シェアハウスでは自分と異なる個性や才能を持った人々に出会い、あいさつから会話が生まれて、毎日流れる時間の中で家族のような雰囲気が作られます。 例えば、あなたが外の生活で悩んでいるときに、仕事やプライベートでの利害関係にない彼らは、友達やあなた自身も気づかない視点で語り、新しいアドバイザーになりうるのではないでしょうか。目からウロコが落ちるような意見や価値観を知ることによって、その悩みが解消するかもしれません。ハウスでの生活があなたの人間性をブラッシュアップさせる可能性もあるのです。
シェアハウスのデメリット
この項ではシェアハウスのデメリットをお伝えします。まず、先ほどメリットであったシェアメイトの存在に悩まされる可能性がゼロではありません。 生まれも育ちも違う他者と同居すれば、時には戸惑うことだってあります。隣人の生活音がうるさくて気になる、または自分が無意識で発している生活音で相手をイラつかせてしまう。シェアメイトの誰かがゴミ出し当番を忘れてしまったということもあります。最初のうちはシェアメイトの一挙手一投足に対して気になることが多くて疲れるかもしれません。しかし、他者を受け入れながら平常心をコントロールすることは、シェアハウスの生活に限らず、自らのストレスをためないためにとても大切です。 一人一人の心に持っている細かな生活のマイルールを、共同生活のために軌道修正もしくは許容すること。
特に年長者は、自分の価値観や常識をかたくなに押し通すのではなく、相手の立場も尊重しながら自分の意見を伝えたり、ある時には結論をスルーする判断も求められてきます。見知らぬ価値観が自分の日常生活に飛び込むと驚かされることもあるでしょう。しかし、住まいの中で誰かと争いになってしまったら、その後の生活が気まずくなってしまいます。仲良しグループになる必要はありませんが、日頃からシェアメイトと適切なコミュニケーションをとって許し合える関係を作っていくことがトラブル回避につながるのです。
とは言え、シェアハウスは「なんでもアリ」と言う訳ではありません。室内禁煙や深夜に洗濯機を回すのはNG、ゴミ出しの当番制など、それぞれのハウスには一定の決まりごとが設けられているはずです。迷惑行為のイエローカードが累積した人には管理会社から退居勧告が出されるケースもあります。厳格すぎても、ルーズ過ぎてもいけない点で、誰でも受け入れられるサービスではないのです。
どんな人たちがシェアハウスに住んでいるの?
私たちが運営するシェアハウスの場合、入居者の約3~4割が外国人、約6~7割が日本人となっています。女性専用シェアハウスですと、もちろん女性が100%。男女シェアハウスですと、女性60%、男性40%ぐらいです。現在、日本国内には約20,000~30,000室のシェアハウス物件が存在すると言われています。そのシェアハウスに住んでいる方の多くは単身の社会人もしくは留学生。 世代としては20代後半〜30代前半の方が過半数を占めています。
入居者様からよく聞く家探しのきっかけは、大きく4つに分かれます。
・仕事のために地方から関西に移住する予定の方。メジャーな梅田や難波は知っていても、住む場所としてはどんな街に暮らせばいいのかわからない状態がほとんどです。
・外国人の方はワーキングホリデー、留学、インターンシップなどの目的で来られます。これから日本語学校に入学予定の方や、すでに日本語はマスターして、製菓やアニメーションなどの専門学校に入学する方、自分でアルバイトを探して働きながら京都や神戸への日帰り観光を楽しむ方もたくさんおられます。関西のアットホームな県民性を気に入って、来日2、3回目と言う方も。
・賃貸マンションの更新を控えているけれど、実は結婚の可能性がある方。逆にパートナーと同棲していたけれど別居を考えておられる方。こうした人生の一大イベントが起こりそうな状況では数年単位の契約更新は慎重になってしまい、ほどほどの仮住まいを目的に探されるケースもお聞きします。
・最後は、実家から自立したいと考えておられる方です。シェアハウスには自分の将来のために頑張る女性がたくさんおられます。
この他には、通勤時間を短くするため都会に住みたい、海外留学前後で外国語の話し相手を見つけたい等のご要望が多いです。
このように様々な動機をお持ちの方がハウスの見学に訪れ、シェアならではのコストパフォーマンスや、交流がある暮らしなどに魅力を強く感じてその生活を選び取っていかれます。
シェアハウス選びの注意点
家賃の安さだけでハウスを選んでしまう方も多いですが、初めての方が失敗しないようにシェアハウス選びのコツをご紹介します。
まずは信頼できる管理会社を見つけてください。認知度が定着してきたシェアハウスですが、その数が増えていくにつれて悪質な管理会社も存在しますので、以下の3つから注意すべきところをしっかり抑えましょう。
1. ちゃんとしたハウスルール(規約)や契約書があるかどうか。
2. 問合せのレスポンスやトラブル時にどの程度対応してくれるかどうか。
3. 建物を定期的に巡回しているかどうか。
1. については必ず確認しましょう。契約内容をはじめ、禁止行為(友人の宿泊や異性の訪問)、毎月の支払い (家賃の他に掛かる費用、共益費に含まれるものは何か)、共用施設の利用 (有料か無料か、利用可能な時間)など。管理会社がハウスルールを設定していれば、シェアメイト同士でも生活中の共通認識が取りやすくお互いのギャップを埋めることができます。わからないときは是非スタッフに質問してみてください。
2. のレスポンスも重要です。ほとんどのシェアハウスでは24時間管理サービスのような対応はされていないと思いますが、水漏れなどの設備トラブルがあった際にきちんとした管理会社はなるべく早目の状況把握を心がけています。最初の問合せ時から見極めてください。
3. 管理会社の巡回の目的は、建物や共用設備などのハード面の点検はもちろん、スタッフ達がシェアメイト以外の第3者としてハウスに訪れることで、極端な違反行為を抑制することにあります。全てが入居者に放任されているような自由な物件は人によって向き不向きがあります。インターネットの情報だけではこうした部分はわからないので、なるべく事前の現地見学をお勧めします。
次に、信頼できる管理会社が見つかったら、自分の希望に合ったシェアハウスを探しましょう。管理会社毎に様々なコンセプトやオプションのあるハウス、そして、個室情報の中から理想の部屋を決める作業は大変な時間がかかります。あなたが重視するものは予算なのか?立地なのか?部屋の広さや日当りなのか?設備が充実していることなのか?どんな人が暮らしているのか?などなど。あなたの希望が全て叶うハウスが見つかればベストですが、そうはいかないものです。悩んでいる間に他の人に部屋をとられてしまうこともしばしば。あらかじめ優先順位や絶対NGを決めておいて、「この部屋がいいな」と思ったら、早目に判断されることをお勧めします。